The Forge

Where Iron Obeys

Takumi Yasuda

Takumi Yasuda

Owner / Chief Artisan

鉄(Ferro)の声を聞く者。
工業的な精度の追求と、フェティシズムへの深い造詣を融合させる。
全ての作品は、彼一人の手によって削り出され、仕上げられる。
その指先は、冷たい金属に命を吹き込むための熱を知っている。

Sounds of Precision

工房の扉を開けると、そこには油の匂いと、金属が削れる甲高い音が充満している。
主役は、高剛性を誇る精密旋盤(Lathe)。
この圧倒的な質量と回転力が、硬質な金属塊を、バターのように滑らかに削り出していく。

The Equipment

Precision Lathe & Milling
マイクロメートル単位の送りを制御する高剛性旋盤と、複雑な形状を生み出すフライス盤。
4爪スクロールチャックを用いた偏心加工により、真円だけでなく、手首に吸い付く「楕円(Oval)」の形成を可能にする。
Measurement (Mitutoyo)
数値への妥協は、安全への妥協と同義である。
測定具には世界基準である「Mitutoyo」製のデジタルノギスとマイクロメーターを採用。
0.01mmの真実を常に監視する。

The Material

Solid Brass (Φ80-100mm)
直径100mmにも及ぶ真鍮(Brass)の無垢丸棒。
中空のパイプではなく、中まで詰まった「塊」から削り出すため、完成品は圧倒的な質量を持つ。
経年変化により、鈍く美しい黄金色へと育っていく。
Finishing Tools
超硬スローアウェイバイトによる鋭利な切削痕を、グラインダーと手作業の研磨で消していく。
最後は職人の指先だけが頼りとなる。

The Process

01
DESIGN & MEASURE

顧客から送られた数値(骨格データ)を元に、CADで図面を引く。 0.5mmのクリアランスを計算し、金属の収縮率を考慮した設計を行う。

02
MACHINING

真鍮、あるいはステンレスの無垢材を旋盤にセットし、高速回転させる。 超硬チップが金属を削ぎ落とし、継ぎ目のない完全な円環を形成する。

03
HAND FINISHING

ヤスリとサンドペーパー、そしてバフ掛け。 指先で何度も撫で回し、皮膚のような滑らかさになるまで磨き上げる。

04
COLOR & COATING

PVDコーティングにより「赤」や「金」の意味を与える。 美観だけでなく、金属アレルギーへの対策も兼ねる。

05
ASSEMBLY

ロック機構とヒンジを組み込む。 最終確認を経て、ただの金属は「支配の道具」となる。